火葬する
火葬することを荼毘に付す(だびにふす)と言います。
その語源はサンスクリット語で火葬を意味する言葉が「dhyapayati」と言い、大乗仏教の経典から用いられています。
あまり知られることのない火葬場での作法や流れをご説明いたします。
火葬場までの移動方法は?
葬儀と告別式が終わると、遺体は火葬場に運ばれて荼毘に付されます。
火葬場への移動は基本、葬儀社が手配した霊柩車に遺体を乗せ、ハイヤーへ喪主が乗り、マイクロバスなどで親族・世話役が乗り、移動します。
この時注意したいのが、火葬場では2~3時間前後の時間を要しますので赤ちゃんがいるお母様などは授乳やおむつの交換などがあるため、遠慮なく葬儀場で待っていることを喪主に伝えてください。
<これまでのおさらい>
火葬には市区町村役場で発行された「火葬許可書」が必要です。
また、分骨の予定があるときは、火葬場の窓口に申し出て「分骨証明書」を発行してもらいます。
納めの式から荼毘に付す
炉前(遺体を火葬する場所の前)に棺を安置して「納めの儀式」として、僧侶の読経と焼香を行います。
その後、遺体を荼毘に付しますので、この間2~3時間は控室などで待っています。
葬儀の関係者として思うのは、この間は大勢の会葬者などから離れている時間なので、お茶を飲んだりと一息入れていただきたい時間でもあります。
「収骨」について
火葬終了後は、遺骨を骨壺に納めることを収骨といい、収骨にはお作法があるので注意してください。
「収骨のお作法」について
収骨は故人と関係の近い方から2人1組で行い、それぞれが火葬場で用意された箸を持ち、一緒にお骨をはさんで拾い丁寧に骨壺に納めます。(箸渡し)
例・・・喪主→親族→参列者
そして、次の人に箸を渡して交代をしますが、お骨を拾う際には足の部分から上半身へという順番で収骨し、最後に喪主か配偶者・子供が喉仏をの骨を納めます。
地方によっては、歯を最初に拾う風習の地域もあるようですね。
また東日本では遺骨の全てを拾って骨壺に納めるのが一般的なのに対し西日本では、一部のお骨だけを拾って骨壺に納めるのが一般的のようです。
それから荼毘に付し収骨を終えると、その後場所を移して「繰り上げ初七日」と
「精進落とし」を続けて行う場合が増えてきました。
まとめ
納骨での箸渡しは「橋渡し」といって亡くなった方が、三途の川を難なくわたれるようにとの願いをこめて行う大切な作法です。
故人とは火葬場での儀式が最後のお別れの時となりますので、真心をこめて見送りをすませたいですね。