最新版!葬儀のルールとマナー徹底解説

お葬式の段取り・葬儀のスタイルと形式

葬儀にはどんな種類があるの?

仮に、あなたが喪主になったと仮定して、「葬儀はどんな形にしましょうか?」と聞かれたとします。さて、この時あなたはなんて答えるでしょうか?「仏教だから」「キリスト教だから」と形式がある程度決まっている場合も多いのですが、昨今は「うちは無宗教なのですが家族葬との違いを教えてください」など、質問の答えになっていないような疑問をお持ちの方も多いようです。この問答のどこがどう違うのかというと、葬儀の「スタイル」と「規模」を取り違えていることです。このような誤解をお持ちの方も最近は多くなってきていますので、整理してお話ししましょう。

葬儀のスタイル(形式)ですが、無宗教式、仏教式、キリスト教式といった区分の事です。また、葬儀の規模(会葬者の数)は家族葬、直葬(直ホール)、一般葬、密葬、友人葬という呼び名で表します。

要するに、「スタイル」と「会葬者数」を選択することが葬儀社を選ぶことにつながり、内容の比較・検討に進む事ができるということです。

「スタイル」は故人が生前、何を信仰していたか(どこのお寺の檀家か)でほぼ決定します。悩むとすれば「無宗教式」にするかどうか、だけでしょう。

葬儀の規模は、予備知識がある程度ないと選べないので、参考までにと規模と会葬者数の目安をまとめてみました。

直葬 (~10人位)
家族葬 (30人位)
密葬  (50人位)
一般葬(50人以上)
社葬(100人以上)
※形式は、ほとんどどの宗派でも対応しています。

■直葬
病院から直接火葬場に搬送し、安置室で手短にお別れを行うこと。
最近は一部マスコミから取り上げられたこともあり、コストも安いので話題になっていますが、あまりお勧めはできません。

■家族葬
家族の他、生前親しかった方々だけで行われる葬儀の事です。故人と親しかった人以外には参列してもらうことは少なく、ごく少数の内々で近親者のみでお別れをしたい方にはお勧めのスタイルといえます。なぜ、このスタイル最近急増しているかというと、気心知れた人たちだけの会葬なので、周りに気を使うことなく、故人との最後のお別れができるというメリットからです。近年、日本における葬儀のスタイルで最も多いのがこの形式です。首都圏、特に都心では葬儀全体の70%が家族葬になっています。

■密葬
読んで字のごとく「誰にも亡くなったことを秘密にするための葬儀」みたいな感じで誤解されがちですが、実は有名人、実力者(有力者)などは、公表すると会葬者が殺到してしまうのでこの形をとることがあります。家族葬同様、参列者は、家族の他、生前親しかった方々だけで行われます。火葬が終わり、また後日改めて公表し、偲ぶ会、お別れ会、会社経営者などは大規模の本葬が執り行われます。そのため、準備に要する期間長くなりますし、葬儀を2回することになりますので当然費用がかかります。

■一般葬
皆さんがこの何十年か「お葬式」としてよく知っているスタイルがこの形です。会葬者は家族の他、親族、故人が生前付き合いのあった友人・知人、会社勤めをされていたのであれば会社関係の方、町内会など近隣の方等々。その他、故人の家族にまつわる方も会葬者として来られますので、当然葬儀は、家族葬より大規模になります。

■社葬
会社の社長、役員のために会社を上げて執り行われます。そのため、費用は会社負担です。

普通一般的に生活している我々庶民の葬儀では、会葬者の数を見極め、それに応じた予算を設定し、家族葬にするか一般葬にするか決めます。そして、宗教・宗派に沿った形式を選べば、大体の葬儀の大枠が見えてきます。
※ここに記した「規模」に関しては、はっきりと定義づけされている訳ではありませんし、土地柄、宗教、葬儀社などによっては、変わることもあります。ですので、ここで紹介した内容は、あくまで参考と考えて、詳しくは担当者(葬儀社)相談されることをお勧めします。

 

なぜ、直葬をお勧めしないのか?

直葬の説明のところで「あまりお勧めはできません。」と書きましたが、ここでその理由について説明したいと思います。「直葬」の語源は「直送」という言葉です。あまり聞きなれない言葉ですが、元々「直送」は警察が身元不明者、引き取り手がわからない遺体を火葬場に「直接送る」ことから来ています。

しかし、最近は費用が30万円位と費用が抑えられることもあり、家族が自宅に搬送せず、直接病院から火葬場に連れていくケーが増えています。なぜなら、葬儀業界が「直葬」を価格が抑えられるだけの理由でキャンペーンを行い宣伝し、一部マスコミが「今は直葬が常識」みたいに取り上げ、ブームを作り上げてしまいました。

現代は高齢化社会になり、亡くなるまでの長期間、やっとの思いで介護にかかる費用を捻出した家族にとって、葬儀にかけられるお金はごく僅かかもしれません。しかし、安いという理由で安易に「直葬」を選択し、目の前でご遺体との最後のお別れもつかの間、あっけなく、あたかも「物」のように処理されてしまう・・・それが後々「ちゃんと見送れなかった」とトラウマになってしまう方も少なくありません。

葬儀の際、故人へ感謝の気持ちを表すには、故人とその家族「共に過ごす時間」が不可欠です。一方、「直葬」の場合は火葬場の安置室に1日も安置しないで、手短なお別れでハイさよなら・・・一度しかない大切な時間が、全く足りません。

葬儀の費用を安く上げたいのなら、「事前準備」で相談をすれば予算に応じて費用を抑えることも十分可能です。くれぐれも、安いだけの理由で安易に選ばないようにしてください。

 

無宗教スタイル

無宗教スタイルを検討している方へ

一般的に、家族の誰かあるいは、故人がが生前信仰していた宗教で葬儀のスタイル(形式)が決まります。ほかに選択肢があるとすれば「無宗教スタイルでするかどうか」であるとお話ししました。

昨今の葬儀スタイルはその種類、形式など様々な選択肢があり、昔と比べかなり変化してきました。徐々にですが、以前からある宗教形式にとらわれない、故人の趣味、嗜好を生かしたスタイルを望む方が増えてきました。

特に都会では「故人を偲ぶ会」「お別れの会」のような送り出す儀式へと考え方が変わり、それが一般的になりつつあります。

しかし、今まで経験したことのないこのような「無宗教スタイル」はイメージを描きにくいものであることは間違いありません。あまりうまくいかないケースも少なくないようです。

このようなケースでは、他にはない手作りの葬儀になりますので、「事前準備」で葬儀社とこと細かく打ち合わせを重ねることをお勧めします。基本的に、亡くなってからこのようなスタイルにすることはしない方が賢明でしょう。

また、あらかじめ相談な可能な場合はどのように葬儀社を決めればよいでしょうか?
間違いないのは、この「無宗教スタイル」での葬儀の経験が豊富な葬儀社を選ぶことです。なぜなら、多数、このような形式にとらわれないスタイルの葬儀を経験してますから、経験に基づく提案力(企画力)が高いと思われるからです。

葬儀社で比較するのもよいですが、一番は担当者の経験とスキルの問題ですので、これを知っているか否かでは、完成度が全く違います。必ずこのポイントを押さえておきましょう。

「無宗教スタイル」の質を高めるには、「こんな葬儀で送ってあげたい」という家族の思いと愛情が非常に重要です。

 

葬儀スタイルと形式、直葬のポイント

・「宗教スタイル」と「規模(会葬者の数)」は一緒ではない。
・「直葬」は安いだけの理由で選ぶのはいけません。後悔する人が多いです。
・「無宗教スタイル」は「事前準備」でこと細かく相談を。

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