決まりのない無宗教葬儀
「自由葬儀」というのを聞いたことがある方も多いと思います。
平成22年度に、一般社団法人「日本消費者協会」が全国の消費者を対象に「葬儀についてのアンケート」を調査したところ、今後の葬儀のあり方という問いに対し、1番多い答えは「形式やしきたりにこだわらない自由な葬儀があってよい」というものでした。
2番目は「家族だけの葬儀でよい」でした。
実際、特に菩提寺をもたず、宗派を気にする必要のない人の多い都会では、仏式・神式・キリスト教式などの宗派色をもたない無宗教葬である「自由葬」というスタイルに注目が集まっています。
形式やしきたりにこだわらない葬儀
葬儀には法律上の決まりはないので、故人やご遺族の希望次第で自由な葬儀を行うことができますが、ただ、ご遺族の好みばかりが反映された演出過多の葬儀は、故人を偲んで送り出すということを無視した形になるかもしれないことを注意してください。
<自由葬の例>
・趣味を生かした葬儀・・・個人が好きだった趣味のものを飾ったり、写真を飾ったりされる方が多い。
・音楽葬・・・個人が好きだった音楽を流しながらの葬儀だったり、故人が生前されていた音楽グループの演奏など。
・生花で華やかに祭壇や会場を飾って行う葬儀・・・葬儀で使用されることの多い菊や、カサブランカにこだわらず、個人が好きだった花や、思い出の花を華やかに飾る葬儀。
増える家族葬儀
自由葬が増えると共に増えてきたのが「家族葬」です。
50人~100人の弔問客が来られるような葬儀ではなく、家族やごく親しい親族だけで故人を見送るのが「家族葬」と呼ばれるようになり、家族が故人とゆっくり別れを告げられるのも注目される理由のひとつです。
家族葬は10人前後の身内だけで行う場合が多いようですが、小規模の葬儀だからといって葬儀費用が安価なものというだけでなく、故人を偲ぶために費用をかけたりと葬儀にかける費用についての考え方も多様です。
また、身内だけで葬儀をおこなったあと「お別れ会」「偲ぶ会」という友人・知人を招いて行われる会もあります。
お別れ会といっても、出席者の多い会では段取りも大変なので、葬儀社で扱うところも増えていますし、知人に発起人をお願いをして、会費制で行うケースもあります。
ポイント
自由葬や、家族葬のどちらも大切なことは故人をどのように送りだせるかという気持ちですので、家族・親族でしっかり話し合って決めることが大切です。