遺産相続が発生したら遺言書を探す。
遺言書はあるのか?
遺産相続がある場合には、何をさておき遺言書を確認しましょう。故人が生前、「亡くなったらここに遺言書があるから」と、知らせてある場合には、当然容易く見つけることができます。本当は生前に、遺言書のありかを聞いておくことがベストです。
しかし、遺言書を書いているかかどうか?、書いていてもどこに置いているかわからないケースも多いようです。その場合は、まず探すことから始めなければなりません。
故人が、大事なものをしまっておきそうな場所(金庫、仏壇、銀行の貸金庫など)を念入りに探しましょう。なぜ遺言書を先に探さなければならないかというと、遺産分割が済んでから、遺言書が見つかると、最初から手続きをやり直さなければならないからです。
遺言書の種類
遺言書の種類には、「自筆証言遺言」と「公正証言遺言」の2種類があります。「自筆証言遺言」とは、遺言書のすべてを自分で書く(自筆で)もので、「公正証言遺言」とは、公証人役場で、公証人に遺言の内容を知らせ作成するものです。
「公正証言遺言」の場合は公証人役場に行って、保管してある遺言書を検索してもらえば、容易く見つけることができます。この場合は公証人役場に出向いて、問い合わせをしてみてください。
「自筆証言遺言」の場合は、探して見つかったとしても、決して開封してはいけません。家庭裁判所で「検認」というものをして貰わなければなりません。もし仮に開封したとしても遺言書の効力が「無効」になるわけではありませんが、「過料」の罰則があります。
「検認」とは、遺言書のねつ造(偽造や変造)を未然に防止し、現状を保全するために行われるものです。しかし、遺言書の中身が、法的に同課などを調べてくれるわけではありませんので、注意が必要です。
「検認」を受けたい場合は、故人(被相続人)が生前済んでいた住所地で、管轄の家庭裁判所に、遺言書を持参し直接出向いて申し立てをしなければなりません。場合によっては、何か月もかかるケースもありますので早めにしておきましょう。
自筆証言遺言」の場合の相続は、「は必ず検認を受けなければ、手続きには入れません。「公正証言遺言」だと、検認が必要ありませんので、スムーズに相続の手続きに入ることができます。
また、遺言執行者が指定してある場合には、その方により執行されます。未指定の場合には、相続対象者全員がが力を合わせ協力し遺言を執行します。必要に応じて、遺言執行者を裁判所に選任してもらうことも可能です。(この場合も申し立てが必要)
遺産相続が発生したら遺言書を探す。のポイント
生前に、予め遺言書の有無、所在を確認しておく。
「自筆証言遺言」は「検認」が必要。