なぜ戒名料・お布施は支払うのか?
お布施の意味
ワイドショーで取り上げることがありますが「戒名何文字で○十万円」「お経は60分で○十万円」などと、大げさにまるでマルチ商法のように取り上げられることがあります。
そもそも、お布施はなぜ収める必要があるのか、考えたことがありますか?
お布施とは、戒名代としての謝礼や、お経を読んでもらったことに対する料金でもありません。
今後末永く、ことあることにお参りする「お寺」は、故人にとっては新たな「家」の意味合いがあります。喪主家族はその「家」を守り、維持していく義務があります。お布施は、これからお付き合いしていく菩提寺を維持し、守るためのなのです。
ですので、単にその都度の「お経代金」として短絡的に菩提寺を判断するのではなく、故人をこの先ずっと供養してくれる存在として付き合うべきです。
戒名には、仏教でいえば「信士、信女」「居士、大姉」「院号」など、ある意味ランク的なものがあります。平均的な相場としては、例えば「信士、信女」なら約30万円を選択した場合、10年の付き合いで3万円、20年で1万5千円となります。
この金額が安いか高いかは、皆さんのご判断にお任せします。先ほど申した、ランクと、地域的な相場もありますのであくまでも目安としてお考え下さい。
戒名と位牌に意味
まず、戒名を住職につけて頂かなくてはいけませんが、どのタイミングでお願いすればいいでしょうか?それは、亡くなってから菩提寺に報告する時点でお願いするのがベストです。
その後、住職が枕経(亡くなってすぐに安置したご遺体の枕元で上げるお経の事)を上げに来てくれます。その時か、お通夜が始まる前に頂く(授与)場合が多いようです。ご戒名は、まず仮の位牌(野位牌)白木の位牌に書いていただきます。
ネットで検索すると、白木の位牌は火葬するときに棺にいっしょに収めても良いと書いてあることがありますが、これは違います。
仏教では、故人の行き先が決まる四十九日(なぬなのか)までは、故人の魂の居場所としてあると教えています。葬儀の後はお骨ともに、自宅の祭壇に祀ってください。
その後、実際の四十九日の法要の時に、菩提寺の住職より本位牌(塗り位牌)に魂が映していただくお経を読んでいただきます。お経が終わったら菩提寺に安置して頂き供養してもらいましょう。この白木の位牌は、お盆、お彼岸の時に他の白木位牌と共におたき上げされます。
お布施の納め方
お布施は、式当日(葬儀、お通夜)に住職にお渡しするのは避けた方がいいでしょう。なぜなら、式当日のお渡しする場合だと、忙しく立ち回らなければならない時にまるまる一日中現金を持ち歩かなければならなくなり、事故が起こる(盗難)ことを避けるためです。
元々、お布施というものは、住職本院に収めるものではなく、菩提寺に収めるものですので、葬儀の後、三日後くらいまでの間にお寺を訪問し、収めるのが良いでしょう。また、、手土産としての菓子折り(日持ちするもの)を忘れずに持っていきましょう。
その際、葬儀のお礼、今後の法要(直近は四十九日)と脳国についての相談をしてください。
区切りとしては、故人が火葬後お骨になれば、「葬儀」は一旦終わりますが、お布施を収めるまでが一連の流れとして考えておく方がいいでしょう。
なぜ戒名料・お布施は支払うのか?のポイント
お布施とは、菩提寺と末永く付き合うためにあるもの。