最新版!葬儀のルールとマナー徹底解説

ご遺体の安置について

安置場所(霊安室)と滞在時間は?

病院でご家族が亡くなられると、看護師によるご遺体の処置が行われます。この間、家族は病室の外で待つことになります。ご遺体の状態にもよりますが、通常の場合、処置時間は、おおよそ2,30分といったところです。

処置が終わるまでの間、葬儀社、お寺に連絡をしたり、親族・知人に連絡をするのもよいでしょう。

看護師から「葬儀社は決まりましたか?」と聞かれるケースもあるようです。何も決まっていないことを告げると葬儀社一覧やカタログを手渡され、その候補の中から選ぶこともできます。しかし、今、亡くなったばかりで、頭が混乱して考えられない方も多いでしょう。

実際、祖父の時も、我が家で初めて迎える葬式だったしあまりにもいきなりで「考えたくない」状態でした。ほとんどの人がそんな思考状態だと思います。

しかし、ご遺体は処置が終わったらすぐに霊安室に移されて、その後、可能な限り早めにご自宅や他の安置場所(葬儀場など)に搬送で移す必要があります。霊安室に安置しておける時間は、事情にもよりますが、通常は約2時間です。

「うわ、短い!」と思うかもしれません。なぜなら、一般の90%以上の病院では、霊安室が思いのほか狭く、一度に安置できるご遺体が2名までという事情もあるからなのです。

しかし、悲しみに暮れている遺族を事務的に追い出すような病院はないので、ケースバイケースですが12時間くらいは安置できる場合もありますので、その場合は病院に相談してみてください。

 

 

重要!ご遺体の安置で必ずしなければならないことは?

ご遺体を安置する場合、何からすればいいかわからない。初めての方も、前に亡くなった家族の葬儀と今回の葬儀との間が空きすぎてどうしたか思い出せない。など、ほとんどの方が何をしたらいいかわからないと思います。

ですので、搬送業者さんにすべてお任せすることをお勧めします。なぜなら、宗教形式(仏教、キリスト教、神道など)宗派を担当者に伝えるだけで、ほぼすべてのスタイルに沿ったマナー、ルールに沿った対応をしてくれるからです。

私の家は仏教の曹洞宗なのですが、祖父の葬儀の際、数珠の持ち方から焼香の仕方、またこれは担当者によって教えてくれるかどうかわかりませんが、菩提寺へのお布施の相場まで、細かく教えてもらいました。

なので、あとは担当者の指示に素直に従うだけで大丈夫です。

じゃあ何もしなくていいの?と言うと違います。
では、ご遺体安置後に一番重要なのは何かわかりますか?最も気を付けなくてはいけないのが、ご遺体を傷まないようにすること(冷却・保湿)です。

 

※ご遺体を部屋の温度管理と保冷剤(ドライアイスなど)で冷やす

ご遺体の痛みを防ぐには、保冷剤と部屋の温度管理が何より重要です。保冷剤(ドライアイス)による冷却処置は葬儀屋さんが手配してくれます。しかし、搬送のみをお願いした場合、ご遺体に直接保冷剤が接触しているかどうかを確認してください。確実に接触していれば、12時間は効果が持続します。

その間、どこの葬儀社にするか相談するといいでしょう。

しかし、保冷材はご遺体の痛みを遅くすることが目的ですので、安置場所の室温事態を下げるわけではありません。ですので、安置場所の室温管理にも気を配らなければなりません。春、夏はエアコンを最低まで落とし、すべてのカーテンを閉めてください。秋、冬の場合は隣の部屋、近くの部屋のヒーターは一切、つけてはいけません。

なぜなら、昨今の施設は気密性が高く、安置場所の暖房をOFFにしただけでは、隣から暖かい空気が入ってくるので部屋の温度が上がりやすくなってしまうからです。冬季間など気温が下がる時期は、近くで過ごすときには厚着をしましょう。

 

ここで注意点なのですが、安置場所でご遺体とともに寝たい、昔はそういう過ごし方をした方も多いかと思います。しかし、現在の常識ではそれは絶対NGとされています。

なぜなら、保冷剤(ドライアイスなど)から出る二酸化炭素の比重は空気より重いので、必ず下にたまります。そこで寝たりすれば最悪の場合急性の中毒(二酸化炭素)になり死に至るリスクがあるので注意しましょう。

 

※ご遺体にクリーム・オイルをつける

最近の病院では、ご遺体の処置の際、「最後にきれいな顔で」と死化粧をしてくれるケースがあります。しかし、看護師さんもプロの納棺師(おくりびと)ではないので、そのメイクの原因で逆に見た目が悪くなる場合があります。

ご高齢の方などは、特にファンデーションを付けた場合時間がたつにつれ、肌から水分失われて、大事なお葬式の頃にはカサカサに乾いてしまいます。葬儀が全て終わるまで、ご遺体をできるだけ痛ませないできれいな状態にしておく為にも、保湿は欠かせません。まぶたや唇、睫毛(まつげ)など乾き安いところを中心に、首・耳にもクリームまたはオイルを、それほど濃くつけなくていいので保湿をしてください。

それが終わりましたら、菩提寺の住職(まだ決まっていなければ葬儀社さんが紹介してくれます)が枕経(納棺前に、故人の枕元であげるお経。)を上げます。ちょっと落ち着いたら、お寺さんに連絡しましょう。

 

ご遺体の安置についてのポイント

愛する家族(故人)への最後のやさしさは「保冷」と「保湿」です。
臨終後、処置が終わり霊安室に居れる時間は長くない。